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アレルギー外来

月曜日  午後4時〜8時
水曜日  午後3時30分〜8時
木曜日  午後4時30分〜6時30分




 アレルギー疾患に対する考え方及び治療方針


 気管支喘息もアトピー性皮膚炎もアレルギー反応だけで起こるものではなく、
 々要因が影響して起こる多原的疾患である。
近年のアレルギー疾患の急激な増加を考えると、その原因は我々が毎日送っている、欧風化された文明生活に問題があると考えている。
今の文明時代に、いかに賢くアレルギー疾患と付き合っていくかが問題です。ただ単に薬を使用するだけではアレルギー疾患を治す事はできません。病気の原因をしっかり把握し、理解し、総合医学的な治療方針を立て、治療を行っていかなくてはなりません。 (参照 クリニックページVOL.1
 アレルギーの病気は、体質の病気です。しかし自然治癒する可能性のある病気でもあります。しっかり治療すれば必ず治る(コントロール出来る)病気です。気長に病気の治療に取り組んでください。
現代医学は日々進歩しております。以前に比べればアレルギー疾患は治し易くなりました。落とし穴の多い民間療法は危険です。医学を信頼し付き合ってください。

1)気管支喘息


  《原因》
1)アレルギー反応 
2)自律神経調節の乱れ (易適応障害性) 
  環境などの変化にうまく調節できないという問題です
  季節性に起こる、天候の変化、気温の変化に影響する、寝入りばな・明け方に起こる
3)精神的ストレス
  イライラしたり、不安になったり、気を使ったりすると起こる
  行事の前後など何かがあると喘息が起こる・・学校や職場でのストレス、テストの前、お母さんに叱られる、学校が休みになるなどの心理的要因が発作の引き金になる。

気管支喘息の本態は・・「気道粘膜の過敏性の亢進である。
1)〜3)の原因により気道炎症が起こる事により、気道過敏性が亢進する。そのため二次的刺激にも反応し発作を誘発する様になる。例えば:冷気を吸う、笑う、泣く、暴れる、運動する、花火・タバコの煙を吸う、線香の煙を吸う、蚊取り線香公害などの汚染した空気を吸う、揮発性薬品を吸うなどで発作を誘発する。

《治療》
1)薬物療法 気道粘膜の過敏性を取り除く事、発作を早期に治す事。発作予防し、発作を起こさせない様にコントロールする。
 @)抗炎症剤・・アレルギー炎症を取り除き、喘息の本体を治す薬です。
  a) ステロイド剤・・吸入剤  
  気道のみに働き、全身的には影響しない為大きな副作用の心配がなく使用出来る。現在の喘息治療の主流になっている。
  ・ベクロメタゾン(ベコタイド、アルデシン、キュバールなど)
  ・ドライパウダーステロイド吸入薬  フルタイド、パルミコート
  
                  
  b) 抗アレルギー剤・・アレルギーを予防する薬です。アレルギーを予防する事でアレルギー炎症を抑えることが出来ます。喘息の予防薬として使われます。最近では抗ロイコトイエン剤(オノン、シングレア、キプレス)が注目されております。
 A)気管支拡張剤
  a) キサンチン系薬
  b) β2刺激薬
2)原因除去
 @)アレルゲンの除去
 A)自律神経調節の乱れに対し
    規則正しい生活
    運動の実行
    冷水浴の実行
    薄着の実行
 B)ストレスの回避
3)特殊治療として減感作療法  

喘息治療の三原則
  1)発作を一刻も早く治す。
  2)大きな発作を起こさせない。
  3)発作が起きないように予防する。

喘息完治の三原則
  1)体の働きを良くする運動をする。
  2)無理な生活をしない。
  3)意欲的な生活をする。
 喘息に負けない体ずくり、喘息に負けない精神が大切です。

実地医家のためのAsthma Workshop で松川 武平が講演しました。
     平成12年11月11日 愛知芸術文化センター於
小児喘息の治療 ―私の治療方針―


    

2)アトピー性皮膚炎

《原因》
1)アレルギー反応
 乳児は食物アレルギーが多いようです。一才を過ぎるとダニや
ホコリのアレルギーが多くなります。またカビアレルギーのある人は重症になりやすいようです。

2)皮膚自体の弱さ・過敏性の増強 (バリアー障害)
  皮膚の働きが悪いため、乾燥し易く刺激を受けやすい
 その為汗が溜まり易い所、汚れやすい所、服や下着が擦れ安い所、また急激な日焼け、急激な気温の変化、湿度の変化に影響を受け悪化する。
 当然皮膚を働かせている自律神経調節が関係します。自律神経の働きが悪くなるとアトピー性皮膚炎は悪化します。特に季節の変化する時、不規則な生活が続いた時(睡眠不足、過労など)、精神的ストレスなどが影響します。
 今我々の生活は、夏はクーラーで涼しく、冬は暖房で暖かく過ごせます。子供達はあまり外で遊ばなくなったため一層外界からの刺激をうけなくてもすむ生活になっております。その為皮膚自体の調節能(働き)はかなり悪くなっている様に思われます。急激な気温、湿度の変化に調節がうまく出来なくなっている様です。楽な生活は皮膚の働きを悪くさせます。また重症アトピー性皮膚炎はストレスの影響が大きいようです。

3)易感染性
 アトピー性皮膚炎の皮膚は感染を受けやすい。とくに黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌などの毒性の強い菌が感染し易いのです。また細菌のみならずウイルスやカビにも感染し易くなるのです。ウイルス感染では、カポシー水痘様皮膚炎(ヘルペスウイルス感染症)や伝染性軟属腫(水いぼ)などの感染が問題になり、カビ
(真菌)の感染では、カンジダ感染が問題になります。


《治療方針・原因の除去》 
1)アレルゲンの回避
2)スキンケア―
 必ず石鹸を用いてしっかり汚れを落とす事出来たら日に2回入浴する事。 
 イソジン療法を行う・・入浴時に体を濡らす前にイソジンを湿疹部位にたっぷり塗り、1〜2分後に石鹸を用いてしっかり洗い落とす。湿疹が強い時はシャワーだけにする事。
3)皮膚のトレーニング
 運動・冷水浴・薄着などの実行
 睡眠をしっかり取り規則正しく生活する事が大切です
4)最近のアトピー性皮膚炎の考え方、Proactive療法
 アトピー性皮膚炎の湿疹は炎症で起こる物、湿疹を放置すると炎症反応は徐々に増強していきます。炎症反応が炎症を起こしてしまいます。炎症反応を放置するとアレルギー反応を強くさせる事が分かってきました。卵や牛乳などのアレルギーも湿疹性の炎症があることで強くなっていきます。とにかく湿疹を早く消さなくてはなりません。ステロイド軟こうを使ってよくなったと思ってすぐに軟膏を中止するとまもなくの内に湿疹が出てきます。良くなったと思っても炎症が残っているのです。しっかり炎症を取り除き治療をするとアトピー性皮膚炎は良くなっていきます。それが
Proactive療法です。
湿疹が消えるまでは毎日2回しっかり軟膏を塗布します。湿疹が無くなったと思っても2週間ほどは毎日2回軟膏を続けます。完全に落ち着いたら2日に1回、3日に1回に減量して塗り続け、徐々に減量していきます。最後はスキンケアのみでコントロールし休薬します。

《ステロイド剤に対する考え方》
 ステロイド軟膏は悪いものだと言う間違った考えが横行しております。またこの考えを強調して高額な商品を売りつける民間療法も多だあり問題になっております。       
 アトピー性皮膚炎の湿疹は早く治した方が後々治療経過がいいのです。ジュクジュクした湿疹ががあればアレルギーがおき易くなりますし、感染の危険性も増えますます悪化して行くのです。悪循環で悪化していくのです。民間療法で言う毒素が出ているとか、肯定反応とか言っているのは全くの麻耶化しです。アトピー性皮膚炎はあくまでも炎症反応で起きます。炎症を抑えるには抗炎症剤であるステロイド剤しかありません。ステロイド軟膏を要領よく使う事が大切です。ステロイド軟膏は湿疹の状態に合わせて選択して使用すれば、さほど怖いものではありません。ただアトピー性皮膚炎をステロイド軟膏だけで治そうとするのは無理があります。あくまでもステロイド軟膏は起きた湿疹を治すだけの ものです。原因を取り除く対策が大切です。

《運動の有用性》
 アトピー性皮膚炎は皮膚の働きが良くなると、症状が改善します。子供達が小学生になり体が強くなると徐々に症状が軽減する事はよく経験する事です。また慢性のアトピー性皮膚炎の子がクラブ活動に入ってから急激に良くなる事もよくあります。今の子供達はあまり外遊びをしませんし、運動をしない子を多いようです。ぜひ運動をさせて下さい。

3)食物アレルギーに対しての考え方
 除去は最低限度、反応する物のみ除去して下さい。血液検査にてアレルギー抗体が出ていても食べて反応のないものは原則除去をする必要はありません。反応するかはっきりしないものは出来たら入院にて食物負荷試験を行って反応するかどうかを調べましょう。残念ながら当院では入院が出来ませんので必要のある方は専門病院にご紹介いたします。
当院では食物アレルギーに対し
経口的減感作療法を積極的に指導して居ります。
経口的減感作療法
 腸管の免疫力がある程度しっかりしてきた状態になった時点よりアレルギー反応が起きない程度のごく微量から始め、少しずつゆっくり計画的に量を増やし摂取させる事で、アレルゲンに対して体を慣れさせ、早期に食べれるようにする治療法です。鶏卵アレルギーの場合、早い子で1歳半から開始しております。多くの子供達は5歳までには開始出来ると考えております。

≪食物アレルギーについての最近の知見≫
@妊娠中に食物除去をしても食物アレルギー成立を予防することは出来ない。
A離乳食を遅らしても(摂取を遅らしても)食物アレルギー成立を予防できない。遅らせた方がアレルギーになる率が増加する。
B皮膚感作により食物アレルギーが成立する事がある。皮疹があると感作され易い。 逆に経口摂取は免疫寛容に働く。早く摂取した方がアレルギーになる率が低下すると言われている。
 ※感作とはアレルギー抗体が作られアレルギー反応が起きる状態になる事
 ※免疫寛容とはアレルギー反応が耐性化し軽減していく事
Cスキンケアをしっかり行う事でアレルギー予防が出来る。皮疹がなくなった部位でも炎症物質が残っている。湿疹が消失した部位でもステロイド剤をしばらく塗り続ける事でアレルゲン抗体が低下し易くなる。
D食物抗原を含む石鹸や保湿剤は食物アレルギーの原因になる可能性がある。

 
4)体質性のカゼ

  子供には感染性のカゼではないカゼ (体質性のカゼ)が多い
 子供は、調節機構が未熟なため、少しの外界の変化に対応出来ず、体が過剰に反応してしまう事がよくあります。その為に粘膜が過敏となり咳、痰、鼻汁が出るのです。これは細菌やウイルスなどに感染するカゼとは異なるもので体自体(体質)の反応なのです。アレルギー体質があるとこの反応は増強します。

     体質性のカゼの特徴

 1) 熱が出ない。
 2) 水様の鼻汁が出る。
 3) 喘鳴を伴なう咳が出る。
 4) 決まった時間帯に咳・鼻汁が出る。
     例えば  寝入りばな、明け方に出る。
 5) 激しく動いた時・暴れた時に咳が出る。
 6) 気温の変化で咳が出る。
     例えば  外から家に入ったとたんに咳き込む。
           外に出たとたんに咳き込む。
 7) 気候に左右されて症状が増減する。
 8)症状が長く持続する。
     1ヶ月ー2ヶ月も長期に渡り咳が出る。
 9) 精神的ストレスが影響する。

  現代っ子は、ひ弱
      《子供を強い子に育てよう》

 # 子供は風の子、外でよく遊ぼう
 # 薄着で過ごそう、冬でも半ズボン
 # クーラー、暖房は控えめに
 # 風呂上りに水かぶりをしよう
 # 早寝早起き・規則正しい生活
 # 運動の習慣をつけよう
 # 精神的にたくましい子になろう

5)スギ花粉舌下免疫療法(SLIT)
スギのエキスを毎日舌の下にたらし、スギ花粉に対して少しずつカラダを慣れさせスギ花粉アレルギーの症状を軽くさせようとする治療です。以前より皮下注射による免疫療法・減感作療法が行われてきました。平成26年10月より舌下免疫療法が保険適応になり、
当院でも開始しました。今まで行っている注射の免疫療法(SCIT)と並行して行います。注射の免疫療法に比べるとやや効果は落ちるようですが、副作用は少ないと言われています。自宅で行うことが出来、痛い思いもすることがなく、簡便に行える為、毎年スギ花粉アレルギーで困っている方には有用かも知れません。一応3年は継続して毎日行わなければなりません。対象年齢は今のところ12歳以上になっております。
方法 @舌下にスギエキスを滴下し2分間保持します。
    A2分したら飲み込みます。
    B飲み込んだ後5分間は飲食をしないでください。

6)トピックス
衛生仮説(Hygiene Hypothesis)

汚い環境で育った子・・牧場など多くの動物に触れて育った子・乳児期早期より保育園に入った子・兄弟の多い子・・には喘息になる確率が低いという説です。20年ほど前にアリゾナ大学で15年間にわたって観察された研究で、「生後6ヶ月間に託児所に預けられた子どもまたは2以上の兄弟姉妹がいる家庭で育った子どもは、13歳の時点での喘息にかかっている確率がそうでない子どもの約半分であった。」と言う報告から衛生仮説が唱えられました。日本でも多くの追跡調査が行われました。当初は日本には当てはまらないと言う否定的な意見が多かったのですが、最近では吸入性抗原に対するアレルギーには当てはまっているのではと考えられています。複数の兄弟のいる子で、下に行けばいくほどアレルギー性鼻炎になる率が低くなると報告されております。食物アレルギーに対しては相関していないようです。
細菌感染を受ける機会が少なく育ってしまうと、細菌を防御する免疫機構が発達せず、そのためアレルギーに働く免疫機構が強く働くようになってしまうようです。過度の綺麗な衛生的な環境は我々自身の免疫力を低下させ同時にアレルギーを作りやすくしてしまっていると言えます。近年のアレルギー疾患の増加と大きく関係しているのかもしれません。最近の日本の子どもたちを見ていると昔ながらの汚い子・どろどろの鼻をたらした子がいなくなり、みなこ綺麗になった気がします。最近の日本のお母さん達が衛生面で潔癖すぎるのでしょうか。少子化もその一因なのでしょうか。一人・二人の子どもであれば親の目が届く綺麗に保つことが出来るのかも知れません。
やはり私の恩師久徳重盛先生が常ずね言われていたように「アレルギー疾患は文明病」と考えていいのでしょうか。





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